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マンション相場が人口減少にもかかわらず下がらないワケ

オフィスのデスクより、

ここ最近、マンション相場は新築も中古も上昇していますが、これだけ人口減少・家余りが叫ばれている中で、なぜこれだけ上昇を続けるか不思議に感じたことはありませんか?

一戸建ては実際に住む人が購入することが多いため、需要にもとづいた価格形成になっているのですが、マンション相場は金融商品にも近い値動きをするといわれ、様々な要因が絡み合って相場が形成されています。

そこで今日は私の見解ではあるものの、なぜこのような市場環境の中でマンション相場が上昇を続けているのか、表には見えてこない背景について説明します。

上昇の要因①:低金利

これは比較的理解しやすいと思いますが、不動産を購入するときは、ローンを利用することがほとんどです。

金利が低くなると、金利負担が軽くなる分、不動産需要が高くなります。需要が高くなると不動産価格は高くなります。

特に現在のようなお金が市場にだぶついていて、金利が低ければ、不動産は格好の投資対象になります。

住宅についても、物件価格が多少高くても金利負担が少なく、月々の支払としてはあまり変わらないこともあり得るため、不動産価格は上昇しやすいです。

しかし最近はそれを考慮しても、特に東京都心部の新築マンションでは、一般のサラリーマン世帯には手が届かない水準になってきています。

通常、変える人が少なくなれば不動産価格は調整が入りそうなのですが、全くその気配はありません。実はその内実がこの不動産市場の上昇のからくりなのです。

上昇の要因②:価格が下がらない新築マンション

新築マンションの平均は、特に東京都心で、ここ数年で一般的なサラリーマンの手には届かない水準になってきました。買手が少なくなれば価格は落ちそうなのですが、新築価格は一向に落ちてきません。

その理由として、今現在の分譲主が大手分譲会社に限られていることが考えられます。今の分譲会社は資金的な体力があり、多少売れ残っていても資金繰りにそこまで大きな影響を与えません。

2008年のリーマンショック時には、資金的な体力のない中小のディベロッパーも多く存在しました。売れ残りは中小のディベロッパーにとっては死活問題なので、価格を下げてでも売るような物件も増え、結果それが相場を押し下げた側面もあります。

しかし今はそのような会社はほとんど淘汰されているため、新築業者が物件が売れ残っていても価格を下げないため、物件が余っていても価格が下がりません。

新築価格の高騰は、中古マンション相場も押し上げますので、結果として物件が余っているのに相場が落ちないという状況になっています。

上昇の要因③:世界的な都市の不動産価格

今の日本(特に東京)のマンション相場は、日本の平均的なサラリーマンにとっては手の届かない水準ですが、世界的な水準で見ると東京はまだ比較的安いのです。

英不動産コンサルタント会社ナイトフランクが発表した「2019年ウェルス・リポート」では、2018年の100万ドル(日本円にして約1億円強)で購入することが出来る面積のランキングを発表しました。その結果が以下になります。(数字の単位は㎡)

・モナコ/16
・香港/22
・ロンドン/31
・ニューヨーク/31
・シンガポール/36
・ロサンゼルス/39
・ジュネーブ/41
・パリ/46
・シドニー/52
・上海/57
・北京/67
・東京/67
・ベルリン/73
・マイアミ/93
・メルボルン/97
・ムンバイ/100
・イスタンブール/109
・ケープタウン/117
・ドバイ/143
・サンパウロ/200

*2018年12月31日の為替レートに基づき算出
*出所:Knight Frank

世界的に見れば、東京の規模から考えると、実はまだまだ割安と考えることもできます。一般の人から見れば高くても、世界で見れば安い。そんな思惑もまったく無縁ではないと思います。

ただ実際のところ、明らかに供給過剰なエリアもあり、ちょっとしたきっかけで相場が下がる可能性も否定はできません。

しっかり需要と供給のバランスが取れたエリアでマンションを探すようにしたいですね。

宮田明典

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