時事・知識・マインド 業者選び

あゝ、この中古マンション、買っちゃったんですね

2022年3月11日

オフィスのデスクより、

私はハウスクローバーの創業者兼CEOという立場ではあるものの、現役の不動産エージェントでもあります。
今日は不動産エージェントとして、担当者を選ばず、物件から問い合わせるリスクを目の当たりにしたので、その出来事をシェアしたいと思います。
関連記事「知らないと恐ろしい、家を探す時の順番」

先週の週末、私のお客様にとある中古マンションのご案内をさせていただいた時のお話です。
その物件はお客様から気になるとお問い合わせをいただいたもので、事前の調査で出てきた資料では不足する情報がありましたが、バツをつけるほどの内容でもないため実際に内覧をすることにしました。
(私を含め、ハウスクローバーのエージェントはお客様が気になった物件の調査をして、そもそも見る価値のない、リスクが高い物件については事前にその旨をお伝えします)

この中古マンションは総戸数が21戸と規模の小さい物件でした。
戸数が少ないマンションは、修繕費に対する一部屋あたりの負担が大きくなりがちで、修繕積立金が不足する確率が他の物件に比べて高くなります。
もちろんいい物件もあるので、個別に調査して判断していきます。
特に今回の物件のように、売主様が住んでいる物件は内覧時にいろいろな情報を聞き出せるので、調査の精度も上がります。
そこで足りない情報は、実際の内覧時に収集しようと考えていました。

内覧当日、現地のエントランスでお客様と待ち合わせていたところ、ちょうど前に内覧していたご家族が、売主業者と一緒に出てきました。
近くに住んでいる方で、物件が売り出されているのをみて問い合わせて内覧をしていたそうです。
人の良さそうな4人家族で、話すことはありませんでしたがご挨拶をさせていただきました。

その後に私のお客様がいらっしゃって、実際に内覧が始まりました。
お客様は結構前向きに検討していて、採寸やリフォームの打ち合わせを私が紹介した業者さんとしていました。
その間、私は色々売主様にご質問する中で、管理組合から届いた総会資料などを拝見させていただけることになりました。
ここには長期修繕計画書や総会の議事録などがあり、調査をする上で足りないピースを全て埋めてくれる書類です。(事前調査でこれらが全て揃うことは滅多にありません)

「おおっ」となりつつ、お客様がリフォーム業者と色々と話をしている間に資料を拝見しました。
そこで、「えっ?なんだこれ?」
売主様に確認しようとしても「あまり総会とか出たことがないので詳しくわからないです」とのこと。
これは本当か知っていてとぼけているのかは真実の程はわかりませんが、書類を見る限り修繕費は15年後には大幅に不足することがわかりました。
簡易的に計算したところ、修繕積立金は月々、今すぐ値段をあげたとしても月々25000円くらいあげないと足りなくなるという結果でした。

今でも月々15000円くらいの修繕積立金でしたので、それだけで4万円になります。
管理費が2万円近かったので、両方合わせると6万円。
駐車場も借りるともう一つ中古マンションが買えそうなランニングコストです。

その場でお客様にそのお話を伝えるわけにはいかなかったので、内覧後に場所を移してそのお話を伝えました。
気に入ればそのまま買いたいとまで考えてくださっていたのですが、管理の内容を聞いて見送ることに。
せっかくお時間をいただいて恐縮でしたが、考え方を変えれば、事前にわかって良かったなと。

そう思ってた矢先、少し遅めの夕方に売主業者から、私たちの前に見ていたお客様が買付を出したと連絡がありました。
「あゝ、この中古マンション、買っちゃったんですね」
もちろん言葉は発しておりません。
私の心の声ですが、これもこれでなぜか残念な気持ちになってしまいました。
買った人たちに挨拶だけとはいえ、顔を見てしまったので。

今回は机上の調査では、管理組合の良し悪しが判断できず、現地に赴いてわかったことや、たまたま買う方の顔を見てしまったことなど、いろいろなことが重なり、改めて物件から問い合わせることの弊害や、担当者を選ばず買ってしまうことへのリスクを認識しました。
ぜひこれから家を探す方は、くれぐれも担当者探しを物件探しよりも前にやっておくようにしてください。
今回の話は決して他人事ではありません。
順番を間違えてしまうと、このようなことになってしまう可能性があるということをぜひ覚えておいてください。

宮田明典

P.S
管理組合の調査をしっかり行なってくれる、不動産エージェントはこちらから探せます。

不動産エージェントが探せるサイト

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