業者選び

同じ仲介でも、「売り」と「買い」は全く別物

2020年9月19日

オフィスのデスクより、

不動産を売買するとき、ほとんどのケースで仲介業者が間に入って取引することになります。

一言で売買といっても、不動産業界では「売り」と「買い」は全く別物であることを知っておくことが重要です。

ここでいう「売り」というのは、売主から物件を預かる業者のことです。よく「元付(もとづけ)業者」なんて呼ばれています。

そして「買い」は、購入者向けの仲介サービスを提供する業者のことで、「客付(きゃくづけ)業者」と呼ばれています。

この二つの違いを知っておくことが、なぜ不動産購入で重要なのか、またそれぞれどんな違いがあるかを説明していきます。

このブログを読むことで、不動産仲介業者に対する見方がいい意味で変わると思います。

元付業者に求められるスキルや知識

元付業者に求められるのは、売った時の税金、抵当権の抹消とそれにかかる債権者との折衝、共有者全員とのコミュニケーションなど、多岐にわたります。

物件を売ることによって、様々な権利関係が関わってくることもあり、買主に引き渡せるよう、そのあたりを整理したり、関係者と折衝したりするスキルや経験、知識が必要になります。

またインスペクションなども、売主に物件を預かる時に実施の有無を確認するため、インスペクションの段取り等の知識も必要になります。

客付業者に求められるスキルや知識

一方で客付業者に求められるのは、住宅ローン減税をはじめとした税制や、それに付随する書類の手続きや、時には耐震診断や耐震改修工事まで段取り出来る知識。補助金もかかわることもあるため、自治体の制度に詳しく、リフォームなどの建築の知識もある程度必要になります。

また住宅ローンをはじめとしたファイナンスの知識。できればライフプランニングなどで無理なく支払っていける予算を見極めるスキル。その他、買ってはいけない物件を見極められるだけの知識と経験もあった方がいいです。

どうやって見極めていけばいいか

こうやって見比べていくと、同じ仲介でも中身は全く別物であることが分かると思います。もしこれから住宅を買うのであれば、客付業者とよばれる、購入者向けの仲介になれた人を選びたいものですよね。

実際のところ、ほとんどの業者が元付業者です。というのも、もともと日本の不動産会社は売主が強く、買主軽視の風潮がありました。そして、不動産仲介業者としても売り物件があれば、最低でも売主から仲介手数料がもらえるので、とりっぱぐれがなく、確実に売り上げが上がります。

大手や古くからいる不動産仲介業者はどちらかというと「売り」寄りです。大手業者の中には住宅ローン減税に関係する知識がほとんどない人も良く見かけます。(実際に住宅ローン減税の適用の可否などでトラブルになるケースは後を絶ちません)

一方で客付業者は、どちらかというと従来の不動産業界からは「手間がかかる割には儲からない」というレッテルを貼られ、積極的に営業されていませんでした。ですから、実は本当に購入者向け仲介に強い「買い」側の業者は数が少ないのです

一昔前の新築がメインの市場であれば、そんな業者の割合でバランスがとれていたのですが、今のご時世は、中古住宅・中古マンションの取扱量が新築を超えていて、制度や税制も複雑化しています。

そんな中で住宅購入で失敗しないためには、優れたスキルや経験をもつ「客付業者」を選ぶことが何よりも大事になってきます。そんな客付業者を見つけるときのポイントは、「どんな情報発信をしているか」です。

ありもしない非公開物件を前面に押し出しているのか、色んな知識や注意すべきポイントを発信しているのか。そういった視点でみると、その業者が優れた「客付業者」であるかどうかが分かります。

非公開物件については、「非公開物件ってあるの?表に出てくることはあるの?」も合わせて参照ください。

パッと聞いた感じだと難しく感じるかもしれませんが、しっかりHPの記事やブログなんかを読み込んでいくと、わかると思います。「客付業者」は、現在の不動産業界や市場に問題意識を持っていて、その対策を呼び掛けています。

不動産業者は手数料はどこも基本的には同じで、どこからでも同じ物件が購入できます。それでいて、誰から買うかで結果の良し悪しが大きく変わる取引です。

ぜひあなたも、そんな視点をもって不動産仲介業者を探すようにしてみてください。

宮田明典

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