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欠陥のある中古マンションを買わないための3つのポイント

2020年5月9日

中古マンションの購入後、心配になるのは、やはりマンションに欠陥があった場合ですよね。私の仕事は、この欠陥マンションを見極めトラブルにならないようにすることですが、そういったことが出来ない業者もたくさんいます。

そこで、今回は中古マンションを購入したあとに多いトラブルや、トラブルを防ぐための対策について解説してきます。

中古マンションを購入した後によくあるトラブルは?

中古マンション購入後、最も多いトラブルを下記にて3つ紹介します。事前にどのようなトラブルが多いのかを知っておくだけでも対策になりますので、ぜひ参考にしてください。

設備などの初期不良

よくあるのが、キッチン・浴槽・トイレ・給湯・床暖房といった、もともと備え付けられている設備に初期不良があるというトラブルです。

不動産の売買契約では、売主が不動産会社の場合は瑕疵担保責任といって、見ただけでは分からない欠陥への保障が、2年以上と宅建業法で定められています。

しかし注意が必要なのは、瑕疵担保責任の対象となるのが、主要構造な部分とされており、一般的な中古マンションであれば、雨漏り・シロアリ・給排水設備に対してのみになります。つまり、法律上で定められた瑕疵担保責任では、もともと備え付けられている設備は対象とされていません。

また売主が個人の場合、瑕疵担保責任は当事者間で決めることになりますが、法律で強制されるものではなく、さらに個人ということもあり、期間は長くて3か月くらいになります。個人の場合の瑕疵担保責任も、主要構造部のみが対象となりますので、もともとの設備は対象とされていません。

ここでもともとの設備に対する保障の取り決めをしっかり契約の時にしておかないと、あとあとトラブルになることがよくあります。

近隣のトラブル

近隣トラブルは様々なケースが考えられます。特に多いとされているのが、騒音に関するトラブル。隣の物件からの騒音が原因となることもあるのですが、逆も注意しておかなければなりません。

逆というは、購入者側に子どもがおり、子どもが発した騒音に対し過剰に反応されるというケースです。中には、子どもが少し騒いだ程度で怒鳴りこんでくるといった隣人も多数報告されています。

明らかなトラブルについては、契約時に告知しなければいけないことになっていますが、トラブルというほどではないものの、人によって気になると感じるものも多くあります。

修繕積立金が足りない

修繕積立金とは、階段の手すりやエレベーターといった修繕の際に多額の費用がかかるものに対し、事前に積み立てていくお金のことをさします。

新築時は購入しやすいように、積立金を少ない額に設定していることがほとんどで、必ずと言っていいほど修繕積立金は改定されていきます。問題はその程度で、そこまで大きな改定をしなくても足りる中古マンションや、大幅な改定が必要となる中古マンションが混在するということです。

階段の手すりやエレベーターなどは毎日のように人の手に触れるため、必ずいつかは修復作業が必要となります。そういった時に「お金が足りない…」となり、借入れや一時的な徴収などをせざるを得なくなってしまうというケースは稀ではありません。

借入れや一時金の徴収などで、その場しのぎができたとしても、後々から必ず苦しくなります。そういった状況を回避するためにも、修繕積立金がどういう状況にあるのか、しっかりと確認するようしておきましょう。

 

中古マンション購入後の欠陥を防ぐために

購入後に欠陥・瑕疵(かし)がみつかった場合、必ずと言っていいほどトラブルに直結します。下記にて、購入者が事前に注意して見ておくべきポイントをまとめましたので、確認しておきましょう。冒頭でも述べたように、事前に知っておくことが大事なのです。

瑕疵に対する取り決めをしっかり行う

構造主要部分の瑕疵担保責任の期間がどれくらいあるのかをしっかり確認するようにしましょう。さりげなく瑕疵担保責任が免責とされている場合もあるので、契約前に事前に確認しましょう。特に築年数の古い中古マンションでは、給排水管のトラブルが発生する可能性もあるので、注意が必要です。

また中古マンションの性質上、設備については免責になる場合も多いのですが、なるべく初期不良だけでも保証してもらえるように、「引渡しから〇日間」などと契約書に明記してもらうことで、欠陥によるトラブルを防ぐことができます。

ただし欠陥については、内覧時などや契約書に付随される「付帯設備表」などの事前告知で、知らされていなかった場合のみ、保証してもらえるということを覚えておきましょう。

ココがポイント

引渡しを受けたあとは、その後にリフォームが予定されている場合であっても、一旦電気・ガス・水道などをすべて開通し、設備のチェックをすることを忘れないようにしてください。また故障時は勝手に直してしまうのはNGで、必ず売主の立ち合いと確認が必要になりますので、不具合を見つけたら不動産仲介業者にすぐに相談するようにしてください。

告知事項はしっかり確認すること

契約時には、必ず「物件状況告知書」などの書面で、告知事項について説明することになっています。

明らかな事故やトラブルについては明記しなければいけませんが、人によって感じ方による類のものは、売主によって売れなくなってしまうことを懸念して告知しないことも考えられます。

事前に仲介業者などを通じて、対象となる部屋の両隣や、上下階はどんな方が住んでいるのか、また直接的ではなくてもマンション内で発生したトラブルを見たり聞いたりしたことはないかを聞くようにしましょう。

コミュニケーションに自信があれば、管理人さんが常駐しているマンションなどであれば、いろいろと情報を聞きだせるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

事前に管理組合の修繕積立金や計画を確認する

「マンションは管理を見て買え」という格言があるくらい、中古マンションの価値は管理状況に現れます。その管理状況がもっとも如実にでるのが、修繕積立金と修繕状況です。

国土交通省が実施したマンションの管理組合にたいするアンケートでは、実に35%もの管理組合が修繕積立金の不足を認識しています。さらに足りているかどうかが分からないと答えている割が30%もあります。合計すると約65%にも及びます。

管理組合の内情を調査するには、一般の消費者ではかなりハードルが高いので、不動産仲介業者に依頼するようにしましょう。またこの調査自体を嫌がったり、そもそも書類の読み方が分からないという不動産仲介業者も多くいます。

大きな買い物をギャンブルのような運任せにしてしまわないためにも、不動産仲介業者はしっかり選ぶようにしましょう。

 

トラブルを防ぐためにも、不動産会社はしっかり選ぼう

上記で説明してきたトラブルは最も多いトラブルの一部に過ぎないので、実際には他のトラブルも考えられます。そういったトラブルを事前に防ぐという意味でも、かなり重要となるのが不動産会社選びです。

  • 要望をしっかりとヒアリングし、プロの意見を交えて的確なアドバイスが言えているか
  • 物件の長所ばかりでなく、短所もしっかりと把握し、説明してくるか

上記のような対応は、本来であれば不動産仲介業者の業務であって、任せておけばいいのですが、このように欠陥によるトラブルが後を絶えないのは、こういった対応が出来ない不動産仲介業者がいるということです。

欠陥のある中古マンションを購入しないためにも、不要なトラブルを避けるためにも、実は不動産会社選びが、中古マンション選びと同じくらい重要なのです。もしあなたも中古マンションをお探しなのであれば、これらのことをよく覚えておいてくようにしましょう。

宮田明典

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